J.フロントリテイリングは1月18日、イグニション・ポイント ベンチャーパートナーズ(IGP-VP社)と共同で事業承継ファンドを設立すると発表した。運用開始は3月頃を予定。事業承継ファンドの設立は小売業では初となる。

 IGP-VP社とは、2022年10月にコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)「JFR MIRAI CREATORS Fund(JMCF)」を共同で立ち上げ、様々な事業に出資しており、今回はこれに続く取り組みとなる。

 ファンド設立の狙いは、地域経済への貢献と、地域の優れたコンテンツの継承。全国各地には、優れた商品・サービスを提供する企業が数多く存在するが、一方で、後継者、資金、経営ノウハウなどの不足による廃業も多く、地域経済に与える影響も大きい。こうした企業を支援することで、地域経済を活性化するとともに、優れた商品やサービスを将来に残そうというのだ。

 投資対象は、食文化を中心に地域に根差した事業を行う国内企業で、将来的には、同社グループへの子会社化を視野に入れ、過半数の出資を前提としている。

 投資後の経営支援は、J.フロントが、販売チャネルの提供、優良な顧客資産の活用、取引先ネットワークを活用した他企業とのコラボレーション、経営人財の支援などを行う。一方、IGP-VP社は、経営企画立案や事業開発、業務効率化など投資先のバリューアップに繋がるコンサルティングノウハウの活用、ブランドプロデュースや商品企画などのクリエイティブ支援などを予定している。

 なお、ファンド名称、出資総額、出資比率、組成日などについては、正式に決定次第開示するという。