当社は主にハラル食品の輸入卸をしており、会社全体の年間の売り上げは約40億円。その中の小売事業がスーパー「ボンゴバザール」となります。2020年に埼玉の三郷市、みさと団地の近隣にオープンしました。イスラム教徒が多いエリアで、ハラル食品を豊富に扱う一方、近隣住民の方も買い物しやすい売り場づくりに最大限力を注いでいます。
直近10月の売り上げは、130坪の売り場で7400万円ほど。平日は160万円程度ですが、土日は500万円以上を売り上げます。ちなみに一般的な商品の構成比は5%ほどしかありません。ほとんどがハラル食品の販売となります。
ボンゴバザールの商圏はとても広く、関東地方の方はもちろん、長野や新潟、富山から来られる方もおられます。来店されるお客様は日本人が7割近くと意外に多く、海外の方は、バングラデシュ人、パキスタン人、イラン人、トルコ人の方が多いです。
お店の特徴は、惣菜売り場にカレーのナンを焼く「タンドール釜」があること。インド人がナンを焼いている姿が見られます。また、12畳の「お祈りの部屋」があります。当初は造る予定はありませんでしたが、イスラム教徒の方が決まった時間になると、駐車場や店頭でお祈りを始めてしまうため、ご用意しました。
売れ筋は「ラムカーカス」「レンズ豆」「スパイス」「淡水魚」「ひまわり油」「外国米」の6アイテムです。仔羊まるごと1匹のラムカーカスは、1カ月で30匹ほど売れますが、それを含め羊の肉はよく売れます。また、日本でいうナマズのような、淡水魚も人気です。ちなみにイスラム教徒の方は、食べるときは三枚おろしではなくぶつ切りで食べるそうで、お肉もスライス肉は売れず、ぶつ切りのお肉がよく売れます。
2025年の初春にはボンゴバザールの2号店が、群馬の太田市にオープン予定です。太田市周辺も外国の方、イスラム教徒の方も多くお住まいです。売り場面積180坪。三郷店がかわいいイメージでデザインしているのに対し、太田店は冒険をイメージしています。
さらに、神奈川県のあるコンビニエンスストアの売り場に20坪ほどの〝ミニボンゴバザール〟を作っていただけるプロジェクトも進んでいます。棚にして20本。もうすぐ、お店の入り口付近にコーナーが完成する予定です。
現状、私たちの売り場ではハラル、ノンハラルとゾーンを分けておりますが、カテゴリーごとに商品が並んでいないため、お客様にとって非常に見にくくなっているのが課題です。今後は日本の食品メーカーさんにもハラル認証の食品をぜひ増やしていっていただきたいですね。(11月21日、全国スーパーマーケット協会にて)