現在、ミャンマーで比較的富裕層の利用が多いスーパーチェーン「マーケット・プレイス」の野菜売り場では、通常の野菜より2倍近い価格の有機野菜が、野菜売り場全体の4分の1から3分の1を占めている。これは、高級スーパーを利用する層には有機野菜が、通常の安価な野菜に勝るとも劣らない需要があるという状況を示している。一部の層にとはいえ、これほど有機野菜が市場に定着したのは、ごく最近のことだ。成長著しいミャンマーの有機野菜マーケットを牽引するブランドのひとつ、「はな花」の成長を軸にレポートしたい。
はな花の前身は、ミャンマーの民主化が進み出していた2010年代中頃からヤンゴンで有機野菜の水耕栽培を行っていた日系の「ユニークベジタブル&フード」社(ブランド名は「ユニベジ」)だ。当時、ミャンマーの有機野菜の消費者は在住外国人が中心で、スーパーでも小さな売り場の一画に押し込められていた。