恒例の見本市「メイド・イン・フランス」が2021年11月11日から14日まで、パリの国際催物場で開催された。国産品だけを扱い、出展者は中小の製造業者。来場者は流通業者などのプロと消費者の両方だ。12年の初回、出展は70社、入場者1万5000人だったが、8回目の19年には出展650社、入場者8万人と激増し、さらに9回目の21年には出展830社、入場者10万人と、いずれも前回比で約25%増となった(20年はコロナ禍のため中止)。
なぜこれほど盛り上がったのか。その理由の一つに、これまで市場が廉価な外国産で占められていたことがある。電化製品も衣類も中国産やモロッコ産などで、大手流通店では国産品を探すのが難しかった。しかし、外国産に人権侵害などの問題が出てくると、国産の良さが見直されるようになった。環境意識の高まりも見逃せない。熱帯雨林を開拓して作られた製品は森林破壊の要因としてマイナスの評価を受ける。国産品なら、原料から完成品まで、製造と流通のトレーサビリティーがより明確になる。また、外国産ほど輸送にエネルギーを使わないので、温室効果ガスの排出も少ない。