メルカリのスポットワーク(短時間の短期バイト)マッチングサービス「メルカリ ハロ」が、4月16日、全国展開を始めた。今年3月6日に首都圏の1都3県で事業を開始したところ、1カ月で登録者数が250万人を突破したことに加え、求人掲載企業も増加したことから、サービスの全国展開に踏み切った。全国展開開始に合わせ実施した記者発表会で、同社執行役員CEO Workの太田麻未氏(冒頭写真)は、「全国チェーンやローカルスーパーなど、5万店舗以上の求人を続々と公開します」と、積極展開をアピールした。

 メルカリがスポットワーク市場に参入したのは、その可能性を見出したため。「メルカリのお客様でスポットワークをしている人が約500万人、興味があるという人が750万人ほどいて、潜在需要がある。また、当社は、モノやお金、信用、暗号資産などあらゆる価値を循環させることをビジョンに掲げており、時間やスキルもその対象になる」と太田執行役員は強気の見立て。

 スポットワーク業界は、1000万人が登録するタイミーを始め、多くの企業が既に参入しており、メルカリは後発になるが、月間2300万人というメルカリ利用者に加え、自社が展開する様々なサービスと併用できるメリットを訴求することで、登録者増を狙う構え。太田執行役員は、「ハロで得た収入をメルペイやメルカードでの買い物に使うといったこともできる。〝働く〟の前後も含め、他社ではできない体験を提供することで、マーケットリーダーを目指す」と意気込む。

 なお、ワーカーを増やすには仕事の数を増やすことが欠かせないため、同社では、東京の本社に加え、大阪にも拠点を設け、営業活動に力を入れるほか、サービス利用料(通常、クルーの給与と交通費の30%)と振り込み手数料(クルー1人の稼働当たり200円)を当面の間無料にするキャンペーンを実施している。また、ワーカーに対しても、ドミノ・ピザやファミリーマートなど、対象企業の募集で働いた場合、給与のほかに1000ポイントが最大6回もらえるキャンペーンを4月22日~5月10日まで行い、登録者の拡大を図る方針だ。

 人手不足でスポットワークの需要が高まる中、メルカリの参入で、さらに市場が拡大するか。その動向が注目される。