65歳以上無職の2人世帯、1人世帯の家計収支は赤字
今の日本では物価も賃金も上昇するインフレ時代の到来は、「節約シニア」の増加と同義語と言っても過言ではないだろう。あるいは「やりくり層」の代表とされる子育て世代と「ゆとりの層」と言われるシニア世代の消費マインドが、逆転する局面の到来と言ってもいいかもしれない。物価も賃金も上がればシニアの生活費の多くを占める年金も増額されるが、現行制度では賃金の伸び率を下回る範囲でしか増額されない。そのため物価の上昇が家計に与える打撃度は、常に現役世代よりシニア世代の方が大きくなるからだ。
日本の総人口は、昨年9月で約1億2434万人。そのうち65歳以上の高齢者数は3623万人で、高齢化率は29.1%と3割に達している。