帝国データバンク(TDB)は、「2024年問題」(建設業、トラック・バス・タクシードライバー、医師などの時間外労働の上限規制強化)の影響と対策についての調査結果を発表した。調査は、昨年12月18日から今年1月5日まで、TDB 景気動向調査とともに全国2万 7143社を対象に実施したもので、1万1407社(回答率42.0%)から有効回答を得た。

 「2024年問題」全般の影響について、「マイナスの影響がある」企業は59.9%となった一方、「影響はない」は22.3%、「プラスの影響がある」は1.6%だった。物流の2024年問題に限ってみると、「マイナスの影響がある」企業は68.6%で、特に「卸売」(79.6%)や「農・林・水産」(78.9%)など6業界で7割超の企業がマイナスの影響を見込んでいる。

 具体的な影響は「物流コストの増加」が 66.4%と 最も高く(複数回答、以下同)、「人件費の増加」(41.0%)、「人手不足の悪化」(40.0%)、「配送スケジュールの見直し」(32.4%)がこれに続いた。 業界別にみると、「物流コストの増加」は「製造」(80.4%)、「卸売」(79.2%)と 「農・林・水産」(75.2%) が高く、「配送スケジュールの見直し」は「製造」(45.7%)、「卸売」(45.6%)、「小売」(36.4%)などの荷主側となる業界で高かった。

 物流の2024年問題への対応策は、予定も含め行っている企業が62.7%だった一方、「特に対応しない」企業も(26.4%)4社に1社あった。「対応あり」とした企業の対応策は、「運送費の値上げ(受け入れ)」が43.3%でトップとなり(複数回答、以下同)、これに「スケジュールの見直し」(36.3%)や「運送事業者の確保」(24.9%)、「発着荷主と運送事業者双方での連携強化」(24.2%)、DX など「業務のシステム化や効率化の推進」(20.0%)が続いた。

 「2024年問題」全般に対して求める支援策や政策については、補助金や助成金など「金銭的支援」(34.0%)と「人材育成・確保支援」(32.3%)が3割を超え(複数回答、以下同)、これに「高速道路料金などの見直し」(29.3%)や「時間外労働の上限規制の猶予期間の延長」(26.6%)、「ルールなどの周知徹底」(21.5%)が続いた。