店舗でお客を待つだけでは事業が存続できなくなった
新型コロナの世界同時流行で、デジタル後進国であることが露呈した我が日本。その日本の中でも「未だにオフコンが存在する業界」と揶揄されてきた流通業界で、文字通り「DX」と言えるデジタル化が急速に進み始めた。従来の合理化だけが目的のIT活用とは異なり、データやデジタルを活用して既存事業の業務やビジネスモデルを変革し、さらには新規の事業を創出する動きが一気に広がってきたのだ。
その背中を押したのは、人手不足とコロナだ。深刻な人手不足を背景に、デジタルを活用して店舗作業の省力化を図る取り組みが俄然活発になったのは19年から。実際、スーパー、コンビニではAI発注やキャッシュレス決済、セルフレジ、スマホレジの導入が相次ぎ、コンビニ大手は「アマゾン・ゴー」張りのレジレス店舗の実験も開始。また外食業界ではテーブルに設置されたタブレット端末で注文するセルフオーダー、スマホで予約・注文・決済ができるモバイルオーダー、接客ロボットなどの導入が進み、アパレル専門店ではRFID活用のスキャンレスレジも登場。