消費者のデジタル化の速さに企業がついていけない

 筆者はこれまで小売業各社で20年以上、当事者として店舗とデジタルの融合を進めてきた。ネット注文品のコンビニ受け取りサービス構築やネットスーパー立ち上げ、専門店のオムニチャネル化推進などがその成果といえよう。

 当初はインターネットの可能性を追求し、既存小売業にて活用する中でビジネス機会を拡大したいという思いだったが、近年は次の二つの気づきからデジタル化を推進しなければならないと考えるようになった。

 一つは国内市場成長の鈍化である。日本の人口は減少傾向にあり、特に15~64歳の一番消費する層の減少が大きい(2020年10月1日時点 総人口約1億2571万人 前年同月比0.36%減、15歳未満1503万人 同1.22%減、15~64歳7449万人 同0.77%減 65歳以上3619万人 同0.85%増:総務省統計局データ)。人口減少に輪をかけて世帯収入も減少、世帯統計では1人暮らしや高齢世帯が増え、国内の消費は減少し続けている。

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