倒産に瀕する中小企業の苦境
1月下旬以降、中国の武漢市において新型コロナウイルスによる肺炎(以下、新型肺炎)の感染爆発が起こり、その後全国にも感染が急拡大し、多数の感染者と死者を出した大災難となっている。さらに新型肺炎の感染拡大は中国経済と消費市場にも巨大な打撃を与えた。1月下旬から2月中旬にかけて、感染拡大を防ぐため、多くの都市が封鎖され、交通機関もストップし、人々は外出もできず、家に閉じこもった不自由な生活を強いられ、未曽有の寂しい春節を過ごしたと口を揃えている。普段は人であふれる都市部の繁華街は人がまばらで、百貨店を含めた各種小売店も臨時休業せざるを得ず、前代未聞の事態に混乱と不安が広がっている。
小売業の影響は主に以下の3点。第1は売り上げの大幅な減少だ。リアル店舗の9割以上が臨時休業に追い込まれたほか、疫病に影響されないと思われたネット通販さえも、工場の生産停止や物流停滞などの影響を受け、売上高は前年同期に比べて5割以上減少したという。第2は臨時休業などの影響で財務面でも巨大な圧力を受けており、倒産や廃業に直面する中小企業が多かった。第3は新型肺炎がまだ終息していない現在、スーパーを除く多くの小売店が営業を再開したにもかかわらず、客足が戻らず業績回復の目処が立っていないことだ。