大盛況を見せる「直播帯貨」のパワー

 4月25日の夜、ある男が直播帯貨(ライブコマース)で湖南省安化県産の茶葉についてPRを行った。茶葉の特徴や各ブランドのストーリーを熱心に紹介し、茶農家が貧困から脱出して豊かになることの重要性を訴えた。5時間にわたるその内容は多くの視聴者を引き付け、商品の注文も殺到した。

 興味深いのはこの男が、湖南省安化県の副県長、すなわち役人であったことだ。新型コロナウイルス感染症の急拡大により、中国では商店が臨時休業し、いつも賑やかな大通りは人影がまばらになった。しかしリアル店舗の寂しさとは異なり、ライブコマースのプラットフォームでは湧き出るような人の波を見ることができる。今や企業経営者や地方政府の役人までもがこぞってライブコマースに販路を求めており、「全民直播(みんながライブコマースを行う)」の時代を迎えたと揶揄されている。

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