クスリのアオキホールディングス(HD)は、2月16日、翌17日の臨時株主総会を前に、大株主であるイオンと香港の投資ファンド、オアシスマネジメントの指摘に対する反論を発表した。

 イオンは、1月9日と15日付で、オアシスは2月5日付でそれぞれクスリのアオキに関する見解をウェブ上で発表しており、それぞれに対するアオキ側の見解を示した。

 まず、対イオンでは、同社が主張する「アオキがイオンの持分法適用会社となることを嫌い、イオンの派遣取締役の辞任とイオングループが保有する議決権比率を下げるように一方的に提案・要求した」とする内容について、「重大な前提が欠如している」と指摘。「『両社間で締結された業務資本提携契約では、アオキの財務・資本計画など、アオキの将来の経営に重大な影響を与える事項の決定に際して、事前の協議の上で行う』としているが、イオンは、アオキに対して事前の相談がなく、昨年10月に同社の株式の買い注文を行った旨を通告。アオキはイオンに対して是正を求めたが、聞き入れられず、翌11月にイオンがアオキ株を取得したため、信頼関係を毀損したとして、資本業務提携の解消に至った」と説明した。

 「イオンが同意なくアオキ株を買い増したことが資本業務提携解消の要因の一つという報道があるが、その事実はない」とのイオンの主張に対しては、「同意なく買い増しが行われたことは事実で、これが資本業務提携解消に至った経緯」と反論している。

 また、「アオキ株を5%保有するツルハHDを連結子会社化したことでイオンの議決権比率が15%となり、持分法適用会社として会計処理することとなった。これは資本業務提携の精神に反するものではない」(イオン)との主張に対しては、「11月のアオキ株の追加取得で既にイオンの議決権比率は15%超となっており、ツルハの連結子会社化(今年1月)よりも前に、アオキを持分法適用会社化しようとした。これは資本業務提携の精神に反している」と指摘した。

 さらに、イオンから派遣されている岡田元也取締役の辞任を求めたのは、「アオキと競合するツルハを子会社に持つイオンの代表執行役がアオキの社外取締役を務めることは、構造的な利益相反が生じるとの判断から」と説明した。

 加えて、「アオキのガバナンス姿勢が変わらないことが、イオンやその株主にとってリスクとなるため、資本業務提携を解消した」との主張に対しては、「新中期経営計画を一緒に検討している社外取締役が事前の相談もなく株式を追加取得する行為の方が、企業倫理やガバナンスに対する姿勢を疑わざるを得ない」と反論している。

 このほか、「1月初旬の臨時取締役会で岡田元也氏が、『アオキが東証プライム市場からスタンダード市場に移行することが少数株主の利益を毀損する』として問題を提起したことでアオキが岡田氏に退任を要求したという報道は誤りで、イオンによる事前の協議なしでの追加株式取得が信頼関係を毀損したため、12月16日にイオンに対して提案・要求している」と説明した。

 オアシスはアオキが17日の臨時株主総会に付議する「買収防衛策」に対して問題点を指摘している。同社の「本買収防衛策により保護される株主共同の利益または少数株主の利益がない」との主張については、「防衛策は、不適切な者による財務や事業方針の決定が支配されることを防止するもので、株主共同の利益や少数株主の利益は保護される」と反論した。また、「本買収防衛策が20%以上の株式取得を目指す他の株式を取締役会の一存で希薄化でき、一般株主に対して極めて差別的」との指摘ついては、「同様の仕組みを決議したイオンに対しては、株主総会に出席しながら、問題視していなかった」と反論。「オアシスのダブルスタンダードだ」と非難した。

 また、「アオキ株を保有する地銀が政策保有株式の縮減を発表しているが、アオキ株の縮減が進んでいないように見受けられ、アオキが売却依頼を拒否している可能性がある」との指摘については、「オアシスの一方的な憶測」とした。

 「20年にアオキが創業家の青木兄弟に対して行ったストックオプションの発行価格を大きく上回る価格で24年にアオキが自社株を取得していることは、価値破壊的な資本政策」だとの指摘については、「この間、株価が上昇していることから、企業価値の向上というストックオプションの本来の目的を達成できたと評価すべき」と反論している。

 また、大量のストックオプションの行使により流通株式比率が低下したこと、さらに東証プライムからスタンダード市場へと市場区分を変更したことは、イオンもオアシスも問題視しているが、「それが少数株主をどう毀損するかについて具体的な説明がない」と指摘。また、「流通株式比率はさまざまな要因で決まるものであり、一つの要因を挙げて特定の株主の行為に帰結させることは株主に対して誤った認識を与える悪質な誘導」と非難している。

 アオキは、両社の指摘に対して反論をした上で、「イオングループの会社になることよりも単独企業として継続的な成長を実現し、企業価値および株主共同の利益の向上を実現したい」と説明、同社の姿勢への理解を求めた。