クスリのアオキホールディングス(HD)の第3位株主であるオアシス・マネジメントは7月12日、8月に予定されているクスリのアオキHDの株主総会で同社の青木宏憲社長、社長の弟である青木孝憲副社長らの再任に反対する方針を表明するとともに、現在青木兄弟に対し73億円の損害賠償で提訴中であることを明らかにした。
クスリのアオキHDは8月に株主総会を予定しており、オアシスの株主提案は2年連続となる。オアシスが問題視しているのは、2020年に青木兄弟に発行された発行条件付きの新株予約権だ。中長期の安定成長を目的として、100株あたり1500円で175万株(2人で計350万株、発行済株式総数の11.1%)をそれぞれに付与するというもの。条件は2024年5月期以降、経常利益220億円を達成した場合に発行できるなどとされている。
この新株予約権をめぐり、オアシスは「公正な評価単価」よりも低い価格で発行されるなどとして昨年の株主総会で青木兄弟への再任反対を提案。結果は再任への賛成多数でオアシスの主張が通らなかった経緯がある。
今回、オアシスはアオキの取締役会議事録などから、新株予約権の発行に十分な議論がなされていないと指摘。さらにこの新株予約権の発行が「創業家である青木家の周到な相続対策の一環」とした上で、改めて青木兄弟と八幡亮一取締役管理部門担当の3人の再任に反対するとしている。
オアシスによれば、クスリのアオキHDの大株主は創業家で31.1%を所有していると見られる。これに約10%を所有するイオン、9.7%を所有するオアシス、5.1%を所有するツルハHDと続く。今後の焦点は、クスリのアオキHDの社外取締役を務める岡田元也会長率いるイオンの動向といえそうだ。