和歌山を地盤にフード&ドラッグの「スーパーエバグリーン」などを展開するエバグリーン廣甚の経営陣が、サツドラホールディングス(HD)に対し取締役選任の株主提案を行っていたことが7月5日、明らかになった。エバグリーン側はサツドラHDの株式を12.5%(5月15日時点)保有しており、サツドラHDの新たな取締役として、エバグリーン廣甚の代表取締役会長である廣岡聖司氏、同じく代表取締役社長の米原まき氏の2人の選任を提案。これに対しサツドラ側は同日、取締役会としてこの提案に反対することを取締役会で決議し、対立の構図となっている。
サツドラ側が同日明らかにした株主提案資料によれば、エバグリーン側は2022年12月以降、サツドラの業績改善について話し合いを持ってきたものの具体的な施策が示されてこなかったと指摘。サツドラが少数株主の利益に即した経営のためのガバナンスが機能しにくい状況であること、社外取締役にドラッグストア経験者が不在であることの二つにより、経営規律が十分に働いていないことが業績低迷の要因だとしている。
さらに昨年12月末をもって当時のサツドラHD取締役副社長COOが辞任したことから、エバグリーン側が前述の2名の取締役選任を提案したところ、サツドラ側からの明確な説明がないまま謝絶されたことから、今回の株主提案に至ったという。
これに対しサツドラ側は、現経営体制で業績が改善していること、大株主の影響を執行から排除しておりガバナンス上の問題点はないとした上で、新たに3人の社外取締役を株主総会ではかる予定だ。
株主の賛同をどちらが得るか、株主総会の8月8日まで水面下の駆け引きが続きそうだ。