フランスで大規模な大手スーパー再編が始まった。オーシャンリテールとレ・ムスカテールが、カジノグループがフランス国内で運営するスーパーマーケットとハイパーマーケットの買収を目的として、独占交渉を開始したと12月19日に発表した。

 カジノが売却を意図している313店舗すべてを対象としており、不動産を除く企業価値は13億5000万ユーロ(約2100億円)。313店舗の2022年の総売上高(ガソリンを除く)は約36億ユーロ(約5600億円)に達する。

 譲渡された店舗の従業員は全員が雇用を維持される。オーシャンとムスカテールは近日中にカジノの労働組合との会合も予定している。

 オーシャンリテールは13カ国で2100店舗を運営。ハイパーマーケット、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ECなどを手がけている。従業員は約16万人。

 レ・ムスカテールは従業員15万人。フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガルに4000店舗を持つ。食品のほか家庭用品や消耗品も取り扱い、約60工場で食品加工も手がける。

 カジノグループはフランスとラテンアメリカを中心に世界で1万1500以上の店舗を展開しており、従業員は20万8000人。スーパーのほか、コンビニエンスストアやECも運営している。

 カジノの第3四半期(2023年7~9月期)のフランスでの既存店売上高は前期比5.6%減。EBITDAは1億3600 万ユーロ(前期差1200万ユーロ減)だった。9月末時点の純負債は56億ユーロとなっている。

 買収はフランスの競争当局の承認を得たうえで、今後数カ月以内に完了する予定だ。