1月24日、仏小売り大手のレ・ムスカテールとオーシャンリテールが、カジノグループのフランス国内のスーパーマーケットとハイパーマーケット計288店舗を買収する契約を締結した。買収側の2社は12月18日からカジノと独占交渉を続けていたが、正式契約にこぎ着けた。
288店舗のうち、レ・ムスカテールが190店舗、オーシャンが98店舗を統合する。店舗の名称変更は、各グループが定めたスケジュールに従って順次行われる。なお、レ・ムスカテール側190店舗のうち26店舗は特定条項により他社に引き渡される可能性があり、1月25日からカルフールがレ・ムスカテール傘下のインターマルシェと独占交渉に入っている。
レ・ムスカテールとオーシャンは買収店舗の1万2000人以上の雇用を維持するため、生鮮や冷凍食品の物流倉庫の業務も引き継ぐ。さらに、オーシャン、インターマルシェ、カジノの間では購買提携の協議が進められており、併せて中央購買会社の創設も計画。フランス競争当局の許可を申請している。フランス小売業界の合従連衡が進んでいる様子がうかがえる。
レ・ムスカテールのティエリー・コティヤール会長とオーシャンのイヴ・クロード会長兼CEOは契約調印式で、「この事業はフランスの小売業界と両社にとって戦略的転換点となるものである。我々は消費者に近代化された売り場と高品質の商品をより魅力的な価格で提供することができる。地元の農家や生産者も恩恵を受けるだろう」と宣言している。