仏小売り大手カジノグループの再建計画がフランス当局の了承をとりつけ、順調な進捗をみせている。

 赤字が続くカジノは経営改善のため、フランス国内で運営するスーパーマーケットとハイパーマーケットを売却した前提での新しい再建計画案を株主や債権者に公表。カジノがフランス国内で運営するスーパーマーケットとハイパーマーケットの買収を目的として、同業のオーシャンリテールおよびレ・ムスカテールと3社で独占交渉中だ。

 新しい再建計画案では24年のEBITDAは1億2600万ユーロ(コンソーシアムの従前の事業計画では3億1600万ユーロ)まで下がるが、28年には9億2000万ユーロ(同9億4900万ユーロ)まで改善する見通し。

 1月11日に開催されたカジノの臨時株主総会では、株主の98.87%が再建計画に賛成。債権者は債権の種類により異なるものの、68.55~100%が賛成票を投じており、カジノは「非常に強力な支持が得られた」と自信を見せている。

 計画を完遂するための残る条件として、カジノは以下の点を挙げている。

・欧州委員会が、カジノの再編を承認するか反対しないこと。
・再建コンソーシアムの投資計画が外国補助金法の範囲内に含まれないことを認める欧州委員会の決定の付与。
・ルクセンブルク保険当局が、カジノRE(グループの再保険子会社)の間接的な支配権変更を承認するか反対しないこと。
・パリ商事裁判所による一連の計画の承認。