経営再建中の仏小売り大手カジノグループの再建計画のうち、株式資本に関わる取引が完了した。概要は以下(専門用語は再建計画の文言<フランス語>にあるもの)。

(1)91億株の普通新株(約9100万ユーロ)を発行することにより、被担保権者やその関連会社の利益のために株主の優先的な新株引き受け権を放棄する増資を行う。これらは3月27日に残余被担保債権と相殺することで引き受けられる。

(2)無担保債権者には、1株当たり1688ユーロの行使価額で普通株式を引き受ける権利を付与する新株予約権が付与される。合計約108万株、額面金額707万ユーロ弱となり、3月27日に無担保債権の金額と相殺される。

(3)永久債権者には約14.6億ユーロの普通株式(1.46億株)が新たに発行される。3月27日にその金額が永久債権と相殺される。

(4)フランス・リテール・ホールディングスに株主の優先的新株引受権を放棄する増資を、212.6億株(プレミアム込み総額 9 億 2,500 万ユーロ)の普通新株発行で行う。フランス・リテールHDが 3 月 26 日に全額現金で引き受け、引受価額は新株1株当たり0.0435ユーロ。

(5)ロックアップ契約、バックストップの担保付き増資に参加する債権者には株主優先引受権の放棄を伴う増資を行う。59.6億株の普通株式(プレミアム込みを含む総額で 2.7億ユーロ)、引受価額0.0461ユーロに相当し、3月14日から3月22日の間に全額現金で引き受けた当該増資に基づき発行された新株1株につき0.0461ユーロを発行する。

(6)カジノは、バックストップグループおよびこの増資に参加した被担保債権者のために、新株引受権1個につき1ユーロセント(0.01ユーロ)のカジノ普通株式を引き受ける権利を付与するワラント22.7億個を発行する。