セブン&アイ・ホールディングス(HD)が商品開発で環境問題対応に踏み込んだ。6月10日より、日本コカ・コーラとの共同企画商品「一(はじめ)緑茶 1日1本」(500ml、機能性表示食品)をセブン&アイグループ各社で発売した。同商品のペットボトルは、セブン&アイグループ各社の店舗で回収されたペットボトルの100%再生樹脂を使用。特定の流通グループの店頭で回収されたペットボトルを再生させて、同じ流通グループで再び商品として販売するのは世界初となる。

 日本コカ・コーラが2001年にセブンイレブン専用商品を発売して以来、両社は協業を続けてきた。一緑茶は15年にセブンプレミアムとして発売され、17年には新たに機能性表示食品「一緑茶 1日1本」の販売もスタート。また物流面では1994年からセブンイレブンの共配センター(全国40カ所)への納入を開始。06年からはメーカー共用デポ(同10カ所)へ納入するなど、配送距離短縮によるCO2排出量削減や、在庫管理の適正化で食品ロスの削減にも取り組んできた。

 セブン&アイHDは5月にグループの環境宣言「グリーン チャレンジ2050」を発表。CO2排出量削減、プラスチック対策、食品ロス・食品リサイクル、持続可能な調達の4テーマを定め、50年までに目指す姿を掲げた。これまでにCO2排出量削減ではエネルギー循環型店舗の実現促進、食品ロス・食品リサイクルでは野菜工場設立などを打ち出してきた。プラスチック対策では、昨年ペットボトル回収機をイトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート、セブンイレブンの店舗に約750台設置。18年度に回収したペットボトルは8900トン、約3億本となり、国内のペットボトル販売数の約1%を占める。

 今回の取り組みについて、日本コカ・コーラのホルヘ・ガルドゥニョ社長は、「今回の商品は第一歩に過ぎない。イノベーションを加速させ、大きなアクションにつなげたい」と力を込める。セブン&アイHDの井阪隆一社長も、「(プラスチック対策は)社会全体で取り組むべき課題だ。お客様や自治体、パートナーの協力を得ながら進めていきたい」と意欲を示した。

 セブン&アイHDは今後、年間1000台のペースで回収機を設置する計画で、グループのPBでも100%再生ボトルの商品化を予定している。

(冒頭写真は日本コカ・コーラのホルヘ・ガルドゥニョ社長とセブン&アイ・ホールディングス井阪隆一社長)