セブン&アイ・ホールディングス(HD)は2月12日、グループで回収したペットボトルを再利用した機能性肌着「セブンプレミアム ライフスタイル ボディクーラー」を発売した。全国のイトーヨーカドー、ヨークベニマル、そごう・西武の各店舗で順次取り扱いを広げている。グループを挙げて環境商品の取り組みを進める同社だが、再生ペットボトルを用いた衣料品は初の試みだ。

「ボディクーラー」の売り場


 ボディクーラー92アイテムのうち、主力の29アイテムでペットボトル原料の再生糸を用いた。ポリエステル糸の製造技術では東レと協力。例えばインナー1枚当たりでは再生ポリエステルが約2割含まれており、これはペットボトル8本分に相当する。うちグループ回収分は4本分となる。「環境に配慮しつつ、機能性も担保している。さらっとした肌触りで快適な着心地に加え、汗対策として速乾性と抗菌防臭加工にこだわった」(イトーヨーカ堂 経営企画室 CSR・SDGs推進部 小山遊子総括マネジャー)。

グループ店舗で回収したペットボトルをPBの衣料品に再利用(イトーヨーカ堂 経営企画室 CSR・SDGs推進部 小山遊子総括マネジャー)

 ボディクーラーの価格帯は390-1490円。今回、再生ペットボトルを使用した商品に関しても価格は据え置いた。製造コストは1%程度増加するが、小山総括マネジャーは「社会的責務として取り組む。環境意識の高い消費者のニーズに応えたい」と語った。2-8月の販売期間で、シリーズ全体として前年をやや上回る150万枚の販売を目指す。

 セブン&アイHDは、プラスチック対策として、2030年までにPBで使用する環境配慮素材を50%、50年までに100%を掲げている。これに向け、イトーヨーカドーなどの店舗で使用済みのペットボトルを回収しており、18年度は約3億本を回収した。これは国内のペットボトル販売本数の約1%に相当するという。回収したペットボトルの再利用も進めており、15年からはPBのシャンプー、ボディソープのパッケージにリサイクルフィルムを使用。また昨年6月には、100%リサイクル素材のペットボトル緑茶を発売した。セブン&アイHDは今後も環境に配慮した、価値ある商品の開発に取り組み続ける構えだ。