流通経済研究所は2月5日、セブンイレブンの店舗向け共同配送センターにおいて、メーカーと卸の納品伝票を電子化する実証実験を行うと発表した。

 経済産業省の事業「流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業」として、製・配・販の協力の下、実施される。

 食品・日用品のサプライチェーンにおいて、商流(受発注)はデジタル化が進んでいる一方、物流(納品)はデジタル化が遅れている。特にメーカー・卸間の納品伝票はまだまだ紙伝票による検品や押印が行われているのが実態。卸が受諾している大手小売業の専用センターにおいても同様で、物流効率化の阻害要因となっている。

 そこで今回の実験では、ヤマエ久野が運営するセブンイレブンの常温共配センターにおいて、協力メーカーが伝票を電子化して納品する。参加企業は図1の通り。

図1実証実験の参加企業

 具体的には菓子・日用品・酒類・加工食品のメーカー、または委託先物流事業者が、センターへの納品データを作成し、業界EDIもしくは情報サービス事業者経由で、SIP基盤(納品伝票エコシステム)に連携させ、SIP基盤が物流情報標準形式にデータを変換・保持して、共配センター側にデータ連携する。共配センター側では、商品到着前に納品データと発注データを照合するとともに、入荷検品時に現場で納品データを参照して確定登録を行う(図2参照)。

図2納品データの連携フロー

 伝票の電子化により、センターでは事前準備として欠品情報の早期取得が可能になるほか、検品業務の削減、証票類保管業務の削減、メーカー側はトラックドライバーの待機時間削減などの効果が見込める(図3参照)。

図3納品伝票の電子化で見込める効果

 実証実験は2月13日~17日までの納品分。実験により、物流効率化の効果と課題の両面を抽出したい考え。

 なお、流通経済研究所と流通システム開発センターが主催する製・配・販連携協議会では、フィジカルインターネットの実現に向け、サプライチェーンの全体最適化のための取り組みを進めている。詳細は激流2024年3月号「2024年問題直前 本当にモノは運べるのか」に掲載している。