夜間検品の人手確保の課題から納品物流の見直しに着手
百貨店業界では、2024年問題対策として、アパレル商品の開店前納品の是正と納品リードタイムの緩和に取り組んでいる。
アパレルをはじめとする百貨店の非食品は、メーカーから納品代行業者の倉庫に届けられ、納品代行業者が検品した後、店ごとに仕分けをして納品するのが一般的だ。納品は、店舗の営業開始前に行うのが業界の慣行で、そのため、検品は夜間にしなければならないが、最近は、人手不足で作業要員の確保が難しくなっている。国が主催するフィジカルインターネット実現会議の百貨店ワーキンググループ(WG)の報告書でもこの問題が指摘され、また、日本百貨店協会(以下、百貨店協会)の実態調査でも、開店前に届ける必要がないものも、これまでの商慣行で開店前に納品しているケースが見受けられた。そこで百貨店協会は、24年問題への対策としてこの課題に着目。開店前納品の是正と納品リードタイムの緩和に取り組むプロジェクトを22年8月に立ち上げ、その解消に乗り出した。