小売業との連携は不可欠と実証実験は示唆

 現行の翌日納品を中1日空ける翌々日納品へ。加工食品卸が集う日本加工食品卸協会(日食協)を突き動かしたのは、2019年7月全日本トラック協会の食料品部会が出した意見書。「多くの加工食品物流は、物流事業者が午後に出荷指図を受けて、翌日午前中に納品する運用になっており、ドライバー不足が深刻化するなか、夜間運転や、夜間の仕分け作業を前提とした運用がドライバーとなることを敬遠させ、ドライバー不足に拍車を掛けている」と労働環境の改善を迫るもの。日食協はその解決策を納品リードタイムの延長に求めようとしている。

 前段にあるのは10年頃から始まった物流クライシス。それ以前は、物流量に比して新規参入が多かったため、安価な取引が横行。だが、そのツケは、ドライバーの高齢化が進み、若い働き手が集まらない人手不足を深刻化させるものとなった。加えて加工食品の物流は、全日本トラック協会の指摘の通り、「トラックドライバーからは評判の悪い業種」だ。センターに到着してから長時間待たされる、荷物の積み降ろしの付帯作業がある、夜中走って朝到着と過酷な配送環境を強いられるなどなど。極めつけがドライバーの働く時間を制限する24年問題。日食協の時岡肯平専務理事が、「加工食品の物流は3重苦状態」と嘆く所以だ。

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