新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行したこともあり、日本は訪日客で賑わっているようだが、これを羨望のまなざしで見ているのがサンフランシスコだ。世界有数の観光都市として知られるが、今やその影も薄れつつある。
テレビカメラの前で万引きが堂々と行われる様子が全米に放映されたサンフランシスコは、今や万引き天国として知られるようになってしまった。市内には犯罪組織が横行し、ホームレスがたむろする。車上荒らしも止まらず、とても観光できる場所ではなくなっている。そんなサンフランシスコに追い打ちをかけたのが、ノードストロームの閉店だ。4月2日、サンフランシスコ市内マーケットストリートのランドマークで、ウエストフィールドサンフランシスコ・センターの4~7階を占める百貨店と、同モールの隣にあるアウトレット店の閉鎖が発表された。1988年にオープンしたノードストロームは天井までの吹き抜けと世界初のスパイラル(螺旋状)エスカレーターで知られる高級百貨店だが、そのアウトレット店とともに今年夏、閉店するのだ。理由は示されていないが、治安の悪化が大きな要因なのは明らかだ。