ベンチマークは旧ライフフーズの惣菜工場

イトーヨーカ堂の店舗を首都圏に集中させ、ヨーク、シェルガーデンと統合し、「食」の事業にフォーカスする。セブン&アイ・ホールディングス(HD)が3月、中期経営計画の見直しで新たに掲げた、首都圏スーパーストア(SST)事業の成長プランだ。その中で、売り上げ、利益の両面で重要になるのが、SSTを後方から支援するインフラ機能。惣菜の製造、半加工を担うセントラルキッチン(CK)と、肉や魚素材を切り、パック詰めするプロセスセンター(PC)だ。3月28日にはその第1弾として、PC機能を持つ流山キッチン(千葉県流山市)が稼働を開始。そして来年2月にはCK、PCの両方の機能を備えた千葉キッチン(千葉市)の稼働を計画している。

 中でも惣菜は、SSTにとって差別化の武器となる戦略カテゴリーだ。ヨーカ堂、ヨークとも2022年度の惣菜売り上げはコロナ前の19年度を上回り、前年比でも共に約1割近くの伸長。利益面でも大事な収益源となっている。ただ課題もある。インストアでの作業が他の競合スーパーと比べて多いことだ。CKを立ち上げ、戦略的に活用する競合SM各社に対し、セブン&アイ側はヨーカ堂が埼玉県日高市に弁当製造を担う日高CKを持つのみ。そのためコロナ前から続く人手不足や時給アップの中で「収益確保がだんだん難しくなってきている」と、セブン&アイHDの石橋誠一郎常務執行役員(冒頭写真右)は指摘する。

一足先に稼働を始めたピースデリ流山キッチン

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