大和ハウス工業は8月9日、四国の低温物流事業会社神山運輸と同社の長距離幹線輸送を担う神山トランスポートの2社を、株式交換で完全子会社化すると発表した。取得予定日は9月12日。

 神山運輸は四国で高いシェアを持つ低温物流企業だ。松山市と大阪市の低温センターを拠点に冷凍食品の小口混載輸送を全国展開しているほか、香川県坂出市と松山市の低温センターを拠点に四国内の外食および事業給食物流の受諾、コンビニ・食品スーパー・ドラッグストアの専用センターも運営している。

両社の狙いはニーズが高まる低温物流事業の拡大だ。もともと神山運輸は大和ハウス工業建築事業本部の営業先であり、今回の子会社化に向けて協議を進めてきた。

 物流業界では、運転業務の年間時間外労働時間の上限が制限される2024年問題を控え、ドライバー不足が問題視されている。一方で成長に向けては新たなセンター投資が必要で、安定的な事業基盤が欠かせない。今後、物流企業の買収案件が増える可能性は高そうだ。

(画像は、神山運輸のホームページ)