固定ファンを獲得し酒類マーケットを開拓

 イーガンズは160年の歴史を誇るアイルランドのプレミアムウイスキー。20世紀初頭に世界中で愛されるウイスキーとなったが、1960年代に一時販売を中止。それをアイルランドでプレミアムな酒類を手掛けるイントレピッド・スピリッツが2013年に創業家と提携して復活させた。その後に、米国や英国など欧米で徐々に人気が復活。アイリッシュ・ウイスキーはライトな飲みやすさと穀物の芳醇な香りで、女性や若者など普段ウイスキーを飲みなれていない層にも受け入れられやすい。実際、日本のアイリッシュ・ウイスキー市場は19年には14年比で3倍に拡大しており、世界5大ウイスキーの中で最も高い成長率を見せている。

 そこで同社は次の重要市場を日本と位置付け、日本法人のイントレピッド・スピリッツ・ジャパンを214月に設立し、10月から本格始動。すでに大手食品卸各社と小売業への販売契約を締結して、同社が取り扱う「イーガンズ」をはじめ、世界最古の蒸留酒ポティーン「マッド・マーチ・ヘア」、世界初のオーストラリア産ベルモット「リーガル・ローグ」、ブラジルが誇る地酒カシャーサ「フーバ」など他にはない特徴的なリキュール・スピリッツ約15品が223月頃から店頭に並び始める予定だ。

 日本市場に本格参入する日本法人社長の畑幸男ジャパンカントリーマネージャーは、「他の酒類メーカーとは一線を画したブランド価値や商品特徴を武器に、固定ファンが多いニッチな酒類市場を開拓していきます」と意気込みを語った。実際に同社の代名詞となるコカの葉を原料とした高級リキュール「コカレロ」は輸入代理店を経由してすでに販売されており、5000円台の高価格帯だが、若年層を中心に固定ファンを食品スーパーで獲得。リキュールブランド全体の金額ベースでは売り上げ2位を獲得したヒット商品となっている。

 

高級アイリッシュ・ウイスキー「イーガンズ」シリーズ(中央2品が主力品のヴィンテージグレーン、フォーティテュード)
左から高級リキュール「コカレロ」、蒸留酒ポティーン「マッド・マーチ・ヘア」、世界初のオーストラリア産ベルモット「リーガル・ローグ」、ブラジルが誇る地酒カシャーサ「フーバ」

女性も飲みやすいウイスキーで食品スーパーの利益拡大につなげる

 「イーガンズ」シリーズは、シングルグレーン「ヴィンテージグレーン」、シングルモルト「フォーティテュード」をメインに、「10年シングルモルト」「コンヴィクション」「センテナリー」「レガシーリザーブ」シリーズ(各700ml)の合計7品を発売。ヴィンテージグレーンは、こだわりのアメリカンオークのバーボン樽に最低8年の歳月をかけて熟成。フォーティテュードはシェリー樽で熟成させて甘さと香りで女性でも飲みやすい。伝統に裏打ちされた優れた原酒を選ぶ審美眼と高いブレンド力で、奥深い香りと味を生み出す。その味わいは各種大会で金賞を受賞して世界でも認められる。

 畑社長は、「女性や若者でも飲みやすく、味やブランドの評価が非常に高いことから、家庭用と業務用の両方の企業で新規導入への声が多く挙がっている。年間数1000ケースの販売を見込んでおり、アイリッシュ・ウイスキー市場のトップ5に3年以内に必ず入ります」と力を込めた。

 価格はオープンだがプレミアム商品としてコカレロと同様に値下げ販売は一切しない。畑社長は、「月に2本程度の販売で1000円台の輸入ウイスキー10本分程度と同等の売り上げと利益を得られます。棚割り効率が非常に良く、購入客層も店舗の優良顧客につながります。安売りで販売量を増やす商品ではなく、付加価値をつけて固定ファンを着実に増やします」と取り扱いの利点を語っている。高価格帯であることからコンビニでは200mlのミニボトルでの販売を予定。父の日などのイベントの際にグラスや化粧箱などをつけ、新たなギフトセット品として付加価値を高める取り組みも計画中だ。また22年春に行われる食エキシビションなどに出展し、一部商品の試飲も予定する。

 同社はコモディティー商品の価格競争とは一線を画し、商品のストーリー性や商品力がある特徴的なプレミアム酒類として日本市場に参入。店舗での固定ファンを着実に増やすことで、食品スーパーの酒類売り場の売り上げと利益の拡大につなげていく。

問い合わせ先
イントレピッド・スピリッツ・ジャパン株式会社
TEL:03-3943-0701
E-MAIL:customers.jp@intrepid-spirits.com

日本法人を立ち上げたイントレピッド・スピリッツ・ジャパンの畑幸男社長