コープあいちは工夫を凝らしたPOPを使ってエンドや定番棚でコープ商品やオリジナル企画を毎週打ち出している。そこで今回は新たにOKIが昨年末発売した最新のカラープリンター「C650dnw」をコープあいちの旗艦店であるコープ上社店に貸し出しを行い、同店の波多野善郎店長と、コープあいち18店にPOP情報を発信する本部の湯浅明美氏に、販売戦略や実機使用の感想などを聞いた。
POPでオリジナル企画をエンドで毎週打ち出す
上社店は若年層からシニアまで客層が幅広い。出店は本部が近くにあるというその地域特性から客単価と組合員加入率が非常に高く、年間供給高は15億円前後と高水準を保っている。付加価値商品やコープ商品を数多く揃え、それをエンドや定番棚で毎週打ち出し、組合員からの支持も厚い。湯浅氏は、「商品部から発信された情報から部門横断のテーマを独自に考え、関連販売できるように工夫を凝らして訴求している」と語る。
実際に上社店店内の様々な売り場にPOPが貼られ、ワクワクする売り場作りがなされている。まず入口には店舗独自の特売情報のほか、オリジナルの電子マネーやLINEの紹介など明るく工夫を凝らした鮮やかなPOPが目に飛び込んでくる。入ってすぐの催事売り場には、特設コーナーを毎週設置。のぼりやボードで手作り感のあるPOPで季節ごとの催事に合わせた商品を集積して提案。店内を歩くと同様に各エンドもテーマに沿った関連商品を集めてワクワクするオリジナル企画を毎週打ち出している。
定番棚は、お勧めの新商品やコープ商品のPB「コープクオリティ」に楽しいイラストを入れて紹介。平台には旬の食材を使ったお勧めのオリジナルのレシピも毎週10品ほど提案、関連商品と一緒にレシピを紹介。またオリジナルレールのPOPも作り、店内は統一感のある売り場を構築している。
こうように様々なPOPを作ることから、課題となっているのが、紙が汚くなったり濡れたりしないようにPOPに必ず貼り付けるラミネート作業だ。同店はラミネートの機械を温めて1枚ずつ紙を入れ、そこにラミネートフィルムを貼りつけ、長尺POPだとテープでさらに貼り合わせるなど作業時間が大幅にかかっていた。
最新プリンターを活用し色鮮やかな耐水紙のPOP販促を作成
こうした状況下で、上社店ではOKIの最新のA4カラープリンター「C650dnw」を活用。同機はOKIが開発に4年半をかけ、日々忙しい小売業の課題解決に焦点を絞り、クラス世界最小本体サイズ※を実現。メンテナンス作業のスペース最小化と高い生産性を両立させた。耐水紙、短冊のし、長尺紙などのスピード印刷にも最適だ。
実際にラミネートの代わりに、耐水紙を使うことで湯浅氏は、「耐水紙を使って見映えが綺麗で非常に良くなった。印刷直後に触ってもトナーもつかず、ラミネート作業の手間が一切なかった」と笑顔で語る。続いて、波多野店長も「作業時間が大幅に短縮し、人件費の軽減と店舗の生産性向上に非常に有効だ」と効果を実感する。
また定番棚のPOPはB6やB8の小さいPOPも印刷するが、そこに対応できない他社のプリンターでは余った紙が無駄になったしまうことが多かった。同機では耐水紙でもB6やB8など様々な小さいサイズのPOP印刷が1枚単位で可能となり、余った部分は再度使えるので紙の有効利用で経費削減にもつながる。
また上社店はPOPの数が多いことから、日々の忙しい業務の中でプリンターの印刷時間も限られている。ここでも同機が活躍。同機の印刷スピードは最初の印刷までの時間を11秒までに短縮し、1分間に35枚のスピードで印刷ができる。特に「印刷ボタンを押したら反応が非常に早かった」と湯浅氏は評価する。
クラス世界最小サイズ※で業界初の「5年間無償保証」を実現
また同機はバックヤードやサービスカンターで置けるように部品レイアウトをゼロから設計し、棚や机などの標準サイズの45cm幅に収まるように開発。上社店では資料のカウンター下にプリンターを置いているが、波多野店長は、「縦横のサイズともに大きさが通常のプリンターと比べ2回りほど小さく、コンパクトですごく良かった」という。
さらにメンテナンススペースを半分に設計し、紙詰まりなどの際に上のカバーをあけずに、ダイレクトに定着器の交換ができる。実際、上社店は他社プリンターが年間に何度も紙詰まりし、その度にメーカーの保守作業員を呼び、その期間は使えないという不便が発生していた。その点、同機は僅かなステップだけで、自分たちですぐに紙詰まりを除去できるのも特徴だ。
OKIは商品の頑丈さの自信から本体修理については業界初となる「5年間無償保証」サービスを展開。頑丈で耐久性にも優れていることは発売後に順調にユーザーを増やしている大きな理由の1つだ。他社のメンテンナンス費用を考慮すると、頑丈でコストが最もお得なことから、経費削減にも貢献する。
※連続プリント速度32ppm以上(A4片面)のA4カラーレーザー/LEDプリンターの本体体積においてクラス世界最小。2021年4月時点。沖電気工業調べ。
多彩なPOPを使って統一感のある企画を打ち出す
コープあいちの販促政策はPOPを使った共通企画まで広がっている。それは2014年にオープンした上社店に湯浅氏が異動し、新たに販促POPの作成を行ったことから始まる。湯浅氏は、「もともとPOPを使った販促施策は各店バラバラ。店内でも各部門が独自に作っているため統一性がなかった」と振り返る。そこで上社店での部門全体での統一の企画を皮切りに、コープあいち全店での統一テーマを目的にしたPOP作成を計画。湯浅氏は、「実際に何年も掛けて店を回り、各店の職員の方々にPOPの必要性を訴えつつ、その店舗で必要なPOPを教えてもらった」と当時の苦労を語る。
その中で分かったのが各店舗の独自性と、売り場面積による販促の違いだった。上社店は300坪前後の中型店舗であることから、150坪未満の小型店舗はすべての催事企画やエンド陳列が難しく、定番棚での打ち出しに多くが割かれる。そこで例えばA4のPOPに合わせて、B6やB8などで定番に貼り付けられる小サイズのPOPも新たに作成することで、各店舗から作成依頼が来るまでなった。さらにPOPの発信によって各店舗に提案の新たな気づきを与えることにより、上社店の成功企画を全店に水平展開できるようになった。湯浅氏は、「全店に私の作ったPOPを幅広く採用してもらい、全店で統一感のある売り場を展開していきたい」と意気込みを語る。
コープあいちのPOPは企画を打ち出すだけでなく、統一した販促になくてはならない存在となっている。それを支えるプリンターも作業効率性とスピード印刷、耐久性、バックヤードに置きやすいコンパクトサイズが最適であることが証明。色鮮やかな工夫を凝らしたPOPを起点に、職員や組合員との関係性をより深め、店舗事業強化に乗り出していく構えだ。