大混乱の中で利用者全員の週1回の注文と配達は死守

 周知の通り生協は組合員の暮らしを良くするため、事業活動と社会活動の両方を行う組織だ。新型コロナウイルスの蔓延は、この「二つの顔」を持つ特異な組織の可能性と課題を改めて浮き彫りにしたと言えるだろう。

 生協の可能性を最も顕著に示したのは、宅配事業だ。コロナの感染が広がり始めた今年2月後半から利用が増え始め、小中高等学校の休校に緊急事態宣言も加わった3-5月は注文が殺到。全国の主要地域生協(65生協)の宅配供給高(売上高)は、3月が前年比14.2%、4月が15.9%、5月が23.2%の大幅な増加となった。

 特にゴールデンウイークとその直後は例年旅行や帰省で利用が少ないこともあり、コープあいちが前年比6割増、みやぎ生協が5割増になるなど異常値が続出。物流センターも配達も完全にキャパを超え、文字通り大混乱となった。この異常事態は5月で収まったものの、6月以降も需要は高止まりで推移しており、主要生協の多くが15~20%の伸びを維持している。

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