5倍ポイントデーを減らし利益率を改善

 〝整える〟から〝攻める、変える、変わる〟へ。就任1年目の昨年度、足場固めに取り組んだ並松誠社長は、今年、攻めの経営へとギアをシフトした。

「スーパーマーケット(SM)は、人口が増えている時代のファミリー層に、人件費の安いパートを使ってデイリーな商品を売るビジネスモデル。だが、今や人口は減り単身者世帯が大きな割合を占めるうえ、人件費の単価が上がり、競争も激しい」

 こう述べ、SMのビジネススキームが曲がり角に来ていることを指摘した並松社長は、高質食品専門館の確立に生き残りの道を探る。数年前からこのビジネスモデルを展開し、ブランドイメージを確立した印象もある同社だが、運営面では非効率な部分が多く、利益率の向上も課題になっていた。そこで、並松社長は、就任と同時に在庫の削減に乗り出し、分散して置かれていた在庫を1カ所に集めて管理する定位置管理を実施。何がどれだけ売れているかを一目でわかるようにすることで、無駄な発注を削減した。その結果、「就任した時にグロッサリーと日配で39億円あった在庫が9月末には29億円まで減少した」(並松社長)。併せて、仕入れ価格を抑えるための大量仕入れもやめさせた。大量に仕入れると、店側はそれをさばくことに追われ、主体的な働き方ができなくなるとの判断からだ。

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