利益を確保できる体質に変えていく
阪急オアシスが店舗改革を加速している。「高質食品専門館」のコンセプトの下、これまで行ってきたオペレーション、商品政策を抜本的に見直すもので、すでにその両方に改革のメスが次々入れられている。
背景にあるのは業績の低迷だ。20年3月期は売上高が前年比97.2%の1094億円、営業利益がゼロの減収減益。既存店も95.2%の着地。昨年は「5倍ポイントデー」を従来の月6回から4回に減らしたため、既存店が厳しくなるのは覚悟していたが、3店の新店効果で売上高は100を維持する計画を立てていた。それが既存店の落ち込みが「予想以上に大きいものになった」と並松誠社長は言う。
阪急オアシスの業績に陰りが出てきたのは、16年度からだ。営業利益が減少に転じ、17年度からは既存店も前年を割るようになった。同業、異業種との競争激化。一方で年収400万円以下の世帯が5割を超え、オアシスの主力客である500万~1000万円の中間層が減っている。そこに人件費の上昇が加わり、これまでの拡大路線が逆に利益を圧迫し始めた。事実、19年度は47億円の減損を計上したが、そのうち35億円は14年度から18年度までに出店した店舗が占めている。