四商販の専業会社化は白紙に戻す

――2017年12月に中期経営計画が発表されました。この間GMS改革はどのように進捗しましたか。

 井出 18年度、19年度と改革を進めていく中で実は色んな課題が出てきまして。もちろん(改革を)前に進めているんだけれども、まず負になっているものをしっかり見つめ直そうということになったんですね。そこで一番大きな問題が在庫。新しい店をつくっていく中で新しい商品の導入や品揃えに取り組んでいくわけですけれど、残念ながら我々の想定以上に在庫が溜まってしまった。在庫処分は値引きして売らざるを得ませんから、当然利益は出ません。同様に大きかったのが食品のロス率拡大。うちの店は大型で食品売り場の面積も広い。食品ロスも大量に発生する。これが高止まりで中々改善しなかった。そこで人間だけでなくデジタルやAIの知見を使いながら、廃棄のロス率、値引きの売変率を減らそうと取り組み、これは一定の成果が出つつあります。

 ――衣料、住居の不良在庫もなくなったのですか。

 井出 なくなりました。19年度に改善のストーリーを作り改革を進めまして、21年2月期第3四半期のIRでも発表しましたが、在庫は大幅に減っています。いわゆる不動在庫を一掃しまして、小売業の重要な指標である在庫回転日数も改善されて、資金面でも良くなりましたし、在庫が減ることで店のオペレーションコストも下がった。直接コストだけでなく間接コストも下がっています。

この記事の購読は有料購読会員に限定されています。
まだ会員登録がお済みでない方はこちらから登録ください。
有料購読申込

すでに会員の方はこちらから