衣料・住居の売り上げは一貫して減少を続けた
イオンの総合スーパー(GMS)は、この先どうなるのだろうか。イオンリテールの21年2月期の業績は、業界関係者にその思いを嫌でも募らせるものとなった。何しろ第3四半期までの営業損益は、409億円もの赤字。イオンリテールは第3四半期までの赤字を第4四半期で挽回し、通期では何とか黒字で着地するというのが近年のパターンではあるが、今回はさすがに挽回は難しく、通期でも赤字となるのは避けられないと見られている。通期で赤字となれば、リテールにとっても設立以来のことだ。
この深刻な事態を招いた主因は、言うまでもなくコロナ禍に直撃されていることだ。駅前の多層階型店舗は「巣ごもり」特需で食品が好調に推移しているが、モール型の大型店は遠出や人混みを避けたい心理で客数が大幅に減少。時短営業、テナントの休業を余儀なくされた昨年4月の緊急事態宣言解除後は回復傾向ではあるものの、基本的に客足が戻り切らない状況が続いている。