新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウンが実施されて以来、スーパーマーケット(SM)やレストランの商品や食事をステイホーム中の顧客に配達する宅配サービスが世界各地で登場している。特に東南アジアは、ウーバーイーツ、デリバルー、フードパンダ、ゴジェック、グラブフードなどの有名企業が積極的な販促キャンペーンを打ち、観光やサービス産業で解雇された人々を数千人規模で雇用して事業を展開するなど、世界で最も市場が活況を呈している。
フィリピンの食品宅配企業プッシュカートにとっても、新型コロナウイルス拡大は追い風になっている。
同社は食事の宅配ではなく、食料品宅配に特化した企業だ。生鮮から一般食品、酒に至るまでSMの商品カテゴリーを網羅することで、従来型の実店舗での買い物に取って代わる存在となりつつある。ほかの食料品宅配サービス企業と大きく違う点は、同社が商品価格の上乗せはせず、配送などのサービス料のみを徴収している点だ。これにより、お客はセール品も含め、店頭と同じ価格で商品を買える。また、研修を受けた専任のスタッフが買い物を代行するため、コロナウイルス感染のリスクも低くなる。なお、配送料は、2000フィリピン㌷(PHP)(約4300円)以下の買い物では一律199PHP(約430円)、5000PHP(約1万円)以上の買い物では無料としている。