今年春、ドイツ国営の国際放送DWで「衰える大型スーパー」と題したドキュメンタリー番組が放映された。コロナ後の生活費高騰の最中、好況かと思われていた郊外型の大型スーパーが欧州中で苦境に立たされているというのだ。登場した小売業コンサルタントは、「閉店を迫られるチェーン店舗が相次いでいる」と指摘。欧州では、大規模スーパーが消費者への食料提供の70%を担っているため、このまま閉店が続けば、農業や食品加工業への影響も避けられない。

 欧州のスーパーチェーンには二つのタイプがある。一つは、ルクレールやエデカのように、協同組合形式で独立店舗を傘下に入れてチェーン化しているところ。もう一つは、レアル、カジノ、カルフールのように本部主導型のハイパーマーケットで、ここ十数年、経営難がより深刻化しているのは後者だという。

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