伊藤忠食品は、1月14日、東京本社で「ベジミート」の試食説明会を実施した。

 ベジミートは、植物を原料にした肉や魚などの代替食品。健康や動物愛護、環境保護の観点から肉や魚を食べないベジタリアンやビーガンが世界的に増えていることを受け、近年、市場が拡大している。また、ベジミートの原料も従来の大豆中心から小麦粉やキノコ類などへと広がるとともに、商品の種類も増えている。こうした状況から、昨年は、「日経トレンディ」12月号の「2020ヒット予測」で15位にランクインするなど、日本でもベジミートに注目が集まっている。とくにオリンピックが開催される今年は、海外からベジタリアンやビーガンの来日も予想されることから、国内でも関心が高まることが期待されている。そこで、伊藤忠食品では、商品本部MD統括部の地域産品・ヘルス&ビューティMDチームが中心になり、ベジミートの提案を強化、その一環として試食会を開催した。

 今回の試食会で紹介されたのは、日仏貿易が扱うスペインの「カルロタ」ブランドの「有機ベジハンバーグ」(ハンバーグ風)2種類(冒頭画像)と、三育フーズの商品15種類。カルロタのハンバーグは、世界初のオーガニックで常温保存可能な肉代替ハンバーグで、三育フーズの商品は、ウィンナーやツナ風の缶詰とレトルトのハンバーグ風商品。いずれも、肉や魚が原料だと思えるほどの本格的な味わいで、試食会の参加者からも高い評価を得ていた。なお、小売価格(税別)は、有機ベジハンバーグ(160g入り)が900円、ツナ缶風の「ベジツナ」(90g入り)が320円、ウィンナータイプの「リンケッツ」(190g入り)が375円と、肉を原料にした商品に比べかなり高め。だが、地域産品・ヘルス&ビューティMDチームの原田結衣氏によれば、「健康や自然志向の商品を扱う高質スーパーからの引き合いが多い」と、小売業からのニーズはあるようだ。なお、今後はこうした高質系のスーパーに加え、一般的なスーパーへとすそ野を広げていく構え。

三育フーズの「ベジツナ」は、ツナと変わらない味と食感を実現

 樋上佳秀 商品本部本部長代行兼MD統括部部長は、「ベジミートはまだニッチな商品だが、冷凍食品のように当初はニッチでも5年後、10年後に市場が伸びる可能性が大きい商品」として、マーケットの開拓に意欲を示した。