ファミリーマートは1月14日より、お客の注文を受けてレンジアップで提供するおでんの販売を始めた。同日より販売を希望した約6000店舗で販売する。おでんの販売数は限定しており、なくなり次第終了する。
商品設計はおでん4個入り(税込み268円)と6個入り(同358円)で、大根、ちくわ、こんにゃく、さつま揚げがセットになっており、6個入りではこれに昆布と筍が加わる。
オペレーションは、まずお客がカウンターでおでんを注文。店員が常温のパックに入ったおでんを器に出し、レンジアップする。4個入りは1分15秒、6個入りは1分20秒が目安で、温まったおでんの容器をカウンターで手渡しする。パックのままでの販売は行わない。
ファミマがパックおでんを検討し始めたのは18年5月から。人手不足を受け、従来のカウンターに設置する鍋おでんの提供を控える加盟店が出てきたためだ。また鍋おでんは朝仕込み、その日の夜に残っているものは廃棄しなければならず、店舗によってはロスが収益圧迫要因となっていた。今回のパックおでんは180日間持ち、お客の希望に応じて必要な分だけレンジアップで提供すれば良いため、鍋のようなロスは発生しない。
本部側はパックおでんの販売について、鍋おでんの販売をやむなく中止した加盟店のみならず、昼間はカウンターで鍋おでんを販売、夜間はパックおでんを提供するといった併用型のケースも想定している。来シーズンについては、今回の販売動向を見て検討するとしている。
あえて課題を挙げるとすれば商品設計だろう。レンジアップのオペレーション上、今回のセットには人気の卵やしらたきが入っていない。加熱で卵は破裂する恐れがあり、しらたきはちりちりの状態になってしまうためだ。今後、競合が追随する可能性もありそうなだけに、おいしさと廃棄ロス抑制の両方を兼ね備えた商品の開発が求められそうだ。