ファミリーマートはリテールメディア事業で3年以内に税引後利益で50億円超、5年後には100億円を目指す。
7月7日に開いたデジタル戦略の会見で細見研介社長が明らかにした。ファミリーマートは現在、自社アプリ「ファミペイ」を手掛けるファミマデジタルワン、購買データを駆使した広告を展開するデータ・ワン、デジタルサイネージを展開するゲート・ワンの3社でリテールメディア事業を推進している。細見社長は「店舗を『カスタマーリンクプラットフォーム』として再定義していく」と語り、リアルの売り場にアプリやデジタル広告などを掛け合わせることで、お客とのつながりを強化する方針を改めて明確にした。
足元で特に展開を強めているデジタルサイネージは、今年6月末時点で約4600店に拡大。今年12月までに1万店への設置を予定している。
今年4~5月には、サイネージでの広告展開に合わせ、店頭を作り込む「売り場連動企画」の第2回を実施。コカ・コーラとタイアップし、ファミチキとの併買企画を展開したところ、併買率が施策前比で約6~7倍に跳ね上がった。ファミペイ内でバナー広告の同時展開も行ったことで、アプリとサイネージの両方に接触したグループの購買件数はさらに高まった。
ゲート・ワンの速水大剛取締役COOは、「今月からはサイネージのクライアントに店舗のAIカメラで取得したデータも開示する予定。効果分析の可視化、また売り場連動企画に続くメニュー開発も含め、メディアとしての価値をさらに高めていく」とした。