ファミリーマートは3月13日、2020年度の上期商品政策の骨子を発表した。開発のコンセプトは19年度下期に続き、「健康、満腹、満足」で、健康意識を捉えつつも、逆に食べたいものを我慢したくないという逆の需要を意識した商品も開発する。

 健康軸の具体例では、シリーズ累計1億食を達成したスーパー大麦や全粒粉商品を「健康は食事から」のブランド名で展開する。満腹・満足軸では、看板商品であるファミチキについて様々な味種を展開していくほか、パウチ惣菜の「お母さん食堂」ブランドからは、時短需要獲得を目指し、ご飯にかけて食べる「チョイかけ」シリーズを始める。またデザートではスフレ・プリンに次ぐヒット商品の開発に挑む。

 商品開発体制にあたっては、NBメーカー、素材メーカーとパートナーシップを組み、メーカーの持つ素材や技術、ブランドとファミリーマートのブランド、インフラ、販売力を掛け合わせることで、独自の魅力ある商品開発につなげる。

 また地域密着体制を生かした商品開発も進める。新設した四つのエリア本部と商品本部が連携することで、地域に根ざした商品を販売し、収益向上につなげていくほか、販促・マーケティングについてもその地区に担当者を置くことで、地域におけるファミリーマートブランドのプレゼンスを高める。

 20年度の市場与件に対する施策として、まず差益高アップに向けた商品の絞り込みを行う。あるカテゴリーで取り組んだところ、ロングテールのアイテム数を約3%カットし、売り上げの高い商品の品揃えを強化したことで差益高が約2%アップした。この取り組みを全カテゴリーで実施する。

 前期に引き続きフードロス削減にも取り組む。同社は2030年に18年比で50%、50年に80%の削減目標を掲げており、今期も予約販売強化、商品のロングライフ化推進、販売期限の確認作業も1日4回を3回に減らすほか、フードバンクとの連携も進める。

 プラスチック対策では環境配慮型素材の使用割合を30年で60%、50年には100%まで持っていく。これに向け20年度はサラダ、弁当、冷し麺容器を中心に約20%分をバイオマスプラスチック、再生ペットなどに変更する。また7月のレジ袋有料化に伴い、バイオマス30%配合の袋に切り替える。

 五輪対応では店舗納品物流に影響が出ると見ており、有明・都心の重点地域と関東を中心に特別ルートを設けることで対応していく。またインバウンド需要の取り込みについては、様々なニーズをもとに、菓子・日用品を中心に専用の品揃えを行っていく考え。また自然災害などへの対応策として、植物工場との連携を強化する方針だ。

(冒頭写真、左から2番目が澤田貴司社長)