ファミリーマートは、2月12日、アパレルのアーバンリサーチ(UR)とのコラボ業態「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズビジネスタワー店」を出店した。

 「ファミマ!!」は、ビジネスエリアに特化した業態で、中食や雑貨などオフィスで働く人向けの品揃えを強化した点が特徴。これまでに全国の大都市を中心に展開しており、虎ノ門ヒルズビジネスタワー店は51店舗目、虎ノ門ヒルズ内では2店舗目となる。

 新店舗は、約96坪のファミマエリアと約80坪のURエリアで構成され、両エリアにまたがるように店内中央には38席のイートインスペースが設けられている。

二つのエリアの中央には38席のイートインを設けた

 ファミマは、オフィスの昼食需要に対応し弁当など中食の取り扱いを充実させたほか、通常この業態では扱っていないフライヤーの商品も導入。セルフサービス販売で省力化につなげる。また、ビジネス需要を見込み、専門店の菓子の詰め合わせなど手土産用の商品も20アイテム取り揃えた。

一方、UR側では、アパレルや雑貨類に加え、中央のアイランドカウンターでカレーやスムージー、夜間はクラフトビール、軽食を販売する。また、自社ECで注文した商品の受け取りサービスも導入した。

 両社のコラボの取り組みでは、オリジナルギフトを開発。「アーバン・ファミマ!!」のパッケージに入ったハンカチやTシャツなどのギフト商品を販売する。また、URのカウンターキッチンでは、ファミチキやつくねなどファミマの商品を使った軽食も提供。さらに、URによる店舗オリジナルデザインの制服も導入した。

店舗オリジナル商品とオリジナルの制服

 今回のコラボ店は、URがファミリーマートの加盟店となって運営する。URでは、ECの顧客が増加する一方、リアル店舗での顧客接点の減少が課題となっている。同社の乾展彰執行役員第1営業部長は、「日常の業態であるコンビニと非日常のファッションを掛け合わせることで、お客様とのタッチポイントを増やしたい」と期待を込めた。なお、当初はそれぞれの売り場を分けているが、お客の反応を見ながらエリアを融合させた売り場にレイアウト変更することも視野に入れているという。売り上げ目標や今後の出店についての具体的な数字は示されていないが、URでは、この店舗の成果を見た上でコラボの方向性を検討していく方針だ。