コロナをピークに成長率は3%台にまで縮小
EC業界の厳しさが増している。市場の伸びは失速傾向がますます鮮明化。先般のアスクルのサイバー攻撃被害は、ECが効率を追求してきた裏に抱える”一点崩壊リスク”を露呈し、対応の必要性を示した。さらに足元では生成AIを活用した「生成AIショッピング」がECの買い物の様相を決定的に変える機運も出てきた。2026年は事業各社が成長戦略の転換を迫られる「EC再定義」の年となりそうだ。
EC市場は頭打ち感が強まっている。経済産業省が8月に発表した「電子商取引に関する市場調査」によれば、2024年の国内物販(BtoC)の市場規模は前年対比3.7%増の15兆2194億円だった(表1)。拡大は維持したが、コロナ特需に沸いた2020年の21.7%増をピークに、2021年が8.6%増、2022年が5.3%増、2023年が4.8%増と伸び率は低下の一途。2023年から2024年にかけての下がり幅はその前よりも広がっており、成長鈍化がより顕著になっている。国内物販に占めるEC化率は同0.4ポイント増の9.78%。こちらも拡大してはいるものの、コロナ期に秒読みと言われた10%の前で足踏みが続いている状況だ。




















