コロナ反動と外出活発化で成長率失速が鮮明

 EC業界が転換期を迎えようとしている。コロナ禍の反動に加え、消費者のリアル回帰により市場成長が鈍化。加えて物流の2024年問題が足回りを直撃しているほか、強まる広告規制への対応など、通販業界特有のインフラコストが今後さらに悪化する見込みだ。これまで以上に大手プラットフォーマーが資本力の差で力を振るうと見られる一方で、その大企業の中にも成長率の差による優勝劣敗がつき始めた。「成長拡大」から「成熟」に向かう市場での戦いはこの先さらに苛烈さを増しそうだ。

 経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によれば、22年の国内物販BtoCの市場規模は13兆9997億円となり、前年比5.37%増だった(図表1)。20年が21.71%増、21年が8.61%増だったことを考えると、伸び率は低下したものの、巣ごもり需要の反動もある中で一定の成長を果たしたと言えよう。

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