サンスターは11月8日の「いい歯の日」に合わせて、ブランドごとの足元の概況と年末年始に向けた政策を発表した。

 歯周病予防ブランドの「G・U・M(ガム)」は、ブランド全体の売り上げが2025年1~9月累計で前年同期比101%の177億9600万円と伸長した。カテゴリー別ではハミガキ、ハブラシ、歯間クリーナーが前年同期をクリアした一方、液体は微減だった。ただ市場シェアで見ると、むしろ液体は昨年改定したクリエイティブが好調でシェアを拡大中。歯間クリーナーも拡大となったが、半面、ハミガキとハブラシは前年よりシェア獲得に苦戦する状況にある。

「ガム」においては昨年5月、「歯周病予防ならガム」を改めて打ち出すコミュニケーションの第1弾を展開し、認知を得始めている。今年3月からは感情・共感に働きかけるアプローチを強化しており、引き続きブランドが選ばれやすい市場環境を整えていく考えだ。

 歯の美しさと健康を打ち出す「Ora2(オーラツー)」は、ブランド全体の売り上げが1~8月累計で前年同期比102%だった。ハミガキが101%、ハブラシが105%、マウススプレー(1~6月累計)が104%と伸びた一方、マウスウォッシュは横ばい、歯間清掃具は87%だった。市場シェアを伸ばしたのはハブラシで、液体・口内衛生用品は横ばい、ハミガキは苦戦の傾向にある。

 9月からは美白ハミガキの「オーラツーme(ミー) ステインクリアペースト」から新香味「ハニーレモンミント」を新たに投入した。新テレビCMや店頭プロモーション、人気恋愛リアリティーショーとのタイアップなどを矢継ぎ早に実施し、ブランド成長の加速化を図る。

 また9月には、子ども用オーラルケアブランド「SODATECO(ソダテコ)」からも新商品を発売した。歯が生え始める生後6カ月からむし歯予防ができるジェルや、正しい持ち方で歯をみがく習慣をつけさせるハブラシなど5品を投入。ソダテコは引き続き保育現場・子ども・保護者に向けた包括的なコミュニケーションを実施。ブランドの認知拡大と子どもの将来を見据えたオーラルケアの啓発を推進していく。

 サンスターは目下、年末年始に向けた企画も展開している。それが夜のオーラルケアへの関心を引き上げる、その名も「おやすみ前のスペシャルケアキャンペーン」だ。「ガム」「オーラツー」といった対象のオーラルケア製品の購入で、サンリオの人気キャラクター「シナモロール」とコラボしたオリジナルグッズや「えらべるペイ」が抽選で当たる。

(「おやすみ前のスペシャルケアキャンペーン」キービジュアル)

 睡眠中は唾液の分泌量が低下するため、翌朝の口臭やネバつきなど、トラブルの原因菌が繁殖しやすくなる。そこで就寝前のゆったりとした時間に、歯みがきに加えて歯間クリーナーや洗口液などを取り入れることで、口腔内の健康維持と心のリラックス、どちらもかなえる新たなオーラルケア習慣を提案する。ブランド・カテゴリー横断のキャンペーンでこれを後押しする狙いだ。期間は1月8日まで実施。サンスターは製品展開と併せて情報発信や習慣改善の提案にも力を注ぎながら、オーラルケア市場での存在感を高めていく。

(キャンペーン棚画像。左が3段、右が5段の例)