ハム・ソーセージや乳製品などのチルド食品メーカーは、10月7日、持続可能なチルド食品物流の実現に向け、「チルド物流研究会」を発足した。参加企業は、伊藤ハム米久ホールディングス、日清食品チルド、日清ヨーク、日本ハム、プリマハム、丸大食品、明治、森永乳業、雪印メグミルクの9社。

 チルド物流では、ドライバー不足や輸送量の低下といった物流業界共通の問題に加え、賞味期限が短く、冷蔵保存が必要で、そのため少量多頻度配送が求められ、また納品リードタイムが短いといったチルド物流特有の課題もある。こうした課題に対し、従来は、企業ごとに対応を進めてきたが、物流2024年問題などもあり、個社単位では課題の根本解決が難しいことから、商品カテゴリーを越え、チルド食品メーカーが連携して課題解決に当たろうと研究会を立ち上げた。

 研究会が取り組むテーマは、以下の四つ。
①納品条件の緩和
 納品リードタイム延長、納品時間帯の緩和、店別仕分け作業・365日納品・発注単位の見直し、新商品・特売品の事前発注化、納品期限(納入限度日)の延長など
②トラックドライバーの付帯作業削減
 ドライバーの店別仕分け作業、庫内積み替え作業、庫内移動作業、フォークリフト作業の見直しなど
③輸配送効率化
 共同配送の推進など
④標準化、システム導入による効率化
 パレット運用の推進など

 今期は、①納品条件の緩和と②トラックドライバーの付帯作業削減について、分科会を設けて対策を検討する計画で、2025年から他の業界団体と協議するとともに、行政などとも連携し対応を推進する。さらに、③輸配送効率化、④標準化、システム導入による効率化についても分科会を設置して検討に乗り出し、30年には取組課題を一旦解決し、将来に亘って持続可能なチルド物流を実現することを目指す。

 なお、チルド物流研究会は、小売業などの各種団体や研究会との間で物流課題を協議するが、納品条件などについては、個社が小売業各社と個別に交渉・決定するとしている。