公益財団法人日本ヘルスケア協会が今年1月から開始した「公益財団法人日本ヘルスケア協会推奨制度」の第1弾として、キリンホールディングス(HD)、サラヤ、アイリスオーヤマの各商品が認定された。
同制度は国民の健康寿命の延伸に寄与する製品を推奨し、ヘルスケア業界全体の発展に貢献することを目的に、医学・薬学・農学の各分野の博士5名で厳格な審査を実施。対象は製品、原料・バルク、機器など多岐にわたり、認定商品は推奨マークを付与され、広告やプロモーションに使用することができる。
3月4日の記者会見で、同協会の今西信幸会長は「少子高齢化により、健康保険など社会保障制度の先行きは厳しい。1970年代は現役世代(15~65歳)9.8人で高齢者(65歳以上)1人を支える構図だったが、2015年には2.3人で1人になっている。これが50年代には1.3人で1人の割合となる。そこで重要になるのが健康寿命を延ばし、平均寿命と健康寿命のギャップをなくしていくことだ。当制度の目的は、三つの領域の専門家が使う人の立場に立って審査を行い、信頼できる本物のヘルスケアを届けること。その結果、第1弾ではジャンルも企業規模も違う3社の商品が選ばれた」と語った。

キリンHDの独自素材「プラズマ乳酸菌」は、日本で初めて「免疫」の機能性表示食品として受理されたことなどを理由に認定された。同社は、このプラズマ乳酸菌を使用した飲料やサプリメントなど全60商品を展開、「免疫ケア」という新たな概念を提供している。同社ヘルスサイエンス事業本部の桑場潮音氏は「健康への信頼性の面でパッと見てわかりやすいマークなので、商品への展開や広告・PRに積極的に活用していきたい」と期待を語った。


サラヤからは機能性甘味料の「ラカントS顆粒」「ラカント アルロースブレンド」の2品が認定。いずれもカロリーゼロで生活習慣病予防に貢献していることに加え、「アルロースブレンド」は脂肪の燃焼を高め、食後血糖値の上昇を抑える機能を有していることなどが推奨理由となった。同社取締役コンシューマー事業本部本部長の山田哲氏は「ラカントの機能性はまだまだ浸透できていないと思っているので、認定されたことを機に、さらに認知を広めていけるようドラッグストアを中心に展開していきたい」と意気込みを示した。


アイリスオーヤマの「リフィール快適下着 超薄型(薄型パンツ)、尿とりパッド」は、大人用紙おむつとして高齢者の安心かつ快適な生活に貢献していることなどから認定された。使用感に配慮して超薄型、スピード吸収の設計にしたほか、寝たきりで筋肉が細くなるため、より小さいSSサイズも用意。同社ヘルスケア事業部統括事業部長の加度圭悟氏は「第三者機関からのエビデンスやご支援をいただくことで、お客様に安心感や品質がダイレクトに伝わると思う。当社の強みである自社ECも含めて、商品の価値をしっかり伝えていきたい」と力を込めた。


なお、この3商品はいずれも満票で認定。日本ヘルスケア協会では今後、第2弾、第3弾の展開も視野に入れ、ヘルスケア産業の健全な成長に向けて邁進する構えだ。