私たちは熊本県玉名市に本社を構える食品卸売会社です。大手卸が扱っていない「こだわり食品」を幅広く取り揃えており、競合と一味違った展開を希望されるスーパー様に提案することで売り場の活性化をお手伝いしています。また九州を中心に直営でアンテナショップも展開しています。地域のメーカー様の応援団を自負し、全国各地のおいしい魅力ある商品をお客様にお届けしています。

 現在扱っている商品は約3000社の4万5000アイテムです。加工食品のほか、地域の銘菓や箱菓子、日配品、冷凍品なども扱っています。商品開発に向けては、様々な展示会に足を運ぶことはもちろん、まだ見ぬ素敵な商品と出会えることを楽しみに常日頃からアンテナを張っています。

 ただし、単にモノを仕入れて売るだけが仕事ではありません。私たちの強みは得意先様の現場に深く入り込む提案力にあります。専門知識を持った営業スタッフが定期的に訪問し、売り場を確認しながら、店舗ごとに最適な商品をご提案。時には販売方法やフェアなども含めて企画します。売り場をより良くするためには何が必要か、自分事として考え、店舗と伴走することが重要と捉えています。現在、得意先様は全国約470店舗まで拡大しています。

 私たちが運営する実店舗「インパクトワンプラス」も広がりを見せています。今年5月、長崎のゆめタウン夢彩都に10店舗目がオープンしました。この業態は5年かけて売り上げを倍にするというスローガンの下、リピーター重視の経営に腰を据えて取り組んでいます。最初あまり動かない商品もすぐに諦めることなく、接客を通じて商品のおいしさを伝えて売れ筋に育てていきます。このショップで大きな利益を得ようとは考えていませんが、メーカー様の発表の場、そして得意先様の参考になるようなテスト販売の場として引き続き取り組む考えです。

インパクトワンプラスの売り場(2022年にリニューアルした熊本県荒尾市のあらおシティモール店)

 得意先様の店舗や直営店の売り場で商品を紹介・育成し、売り込んでいった結果、かつては知る人ぞ知る商品だったものが、今や全国区となった事例も数多くあります。ただ、こうした商品が大手卸の目に留まり、メジャーの物流に乗ると、在庫センターを持たない私たちの手からは離れていくことになります。「卒業」と呼んでいますが、優れた商品を世に広めることができたということで、温かく送り出しています。そしてまた私たちは新たな商品を探して止まらず走り続けるのです。

 スーパーとは、単なる買い物の場ではなく、文化を紡ぎ、人々の暮らしの喜びを支える場だと常々考えています。生産者様、スーパー様と一緒にそうした場を作り上げていくべく、これからもこだわり食品の提案に努めてまいります。(8月21日、全国スーパーマーケット協会にて)