私たちは大阪府高槻市に3店舗を展開しているスーパーで、地域密着で50年以上続いている会社です。経営理念は「社会に貢献し、お客様にとって存在価値のある店舗の創造をする」。当社独自の炭焼きの祝鯛や土用の丑のうなぎの蒲焼きが好評で、祝鯛は12月に入ると年末用の事前注文が多く入ってきます。うなぎも炭焼きで、その日の朝に開いた新鮮なうなぎだけを提供しています。うなぎの蒲焼きの価格は3800~4800円ほど。競合他社が1000円台の中では高価格帯ですが、お客様に支持され、毎年200万~300万円ぐらい売り上げています。これらは地元で「ダイキョウの炭焼き」として有名な商品です。
高槻市の人口は約34万5000人で、そのうち65歳以上の高齢者が3割近くを占めています。その高齢のお客様のニーズに応えようと、2010年4月から22年2月まで配送サービスを行っていました。毎日100~120件の注文がコンスタントに入り、平均単価は5300円ほど。ただ、ランニングコストの増加やドライバー集めに苦労し、肝心の利益がなかなか出ませんでした。やがてコロナ禍で高齢者があまり外に出ないようになり、会社自体が赤字に転落。そのため、配送サービスを取りやめるとともに人員削減とセルフレジの導入を行い、22年度は黒字に回復しました。

しかし、売りであった配送サービスに代わる新たな魅力を創出しなければなりません。そこで、それまでは高齢者の比率が高かったのですが、子育て世代や家族連れのお客様にも来ていただけるよう、ホームページ(HP)をリニューアルしてLINEチラシもスタートしました。HPは私の自作です。屋号のロゴを変え、招き猫をイメージキャラクターに採用して雰囲気を一新。これにより若いお客様が増え、業者やメディアからの問い合わせも増えています。
当初はHPにチラシを載せていましたが、昨年からは友だち登録したユーザーにプッシュ型で情報を届けられるLINEを活用。視認性の良い仕様で高齢者のお客様からも好評で、閲覧率は98%にのぼります。また、LINEのVOOM機能を使って動画も投稿しており、当社の認知度拡大や友だち登録へつなげています。今は紙代も上がっていますから、チラシ販促をデジタルに移行する効果は大きいです。当社では年間約2000万円のコスト削減効果がありました。当社はこのLINEチラシの制作受託も行っており、受注を増やして新たな事業の柱として育てていく方針です。(11月21日、全国スーパーマーケット協会にて)




















