「店長年収最大2000万円――」。 「丸亀製麺」(冒頭写真)を展開するトリドールホールディングスが9月に打ち出した新人事制度に衝撃が広がっている。すでに外食産業ではすかいらーくが5月に「年収1000万超店長」への報酬体系変更を発表。最大手のゼンショーなども幹部候補生である大卒初任給の給与を前年比で47,390円上げ31万円台にしたばかりだ。
だが改定前の店長年収500万円超から1000万円程度への引き上げでは「従業員の幸福を最優先にすると宣言した企業としては物足りない」(粟田貴也社長)。例えば小売りの王様ファーストリテイリングは今年の改定で入社1~2年目の新人店長で年収730万円だ。トリドールは従業員と顧客の心を大切にする「心」的資本経営を掲げ、「その意を追求してくれるメンバーにふさわしい基準として設定した」(同)。同社の26年3月期は売上高2820億円、営業利益146億円の計画だが、着地はこれを上回り過去最高となるのが濃厚。外食産業の地位の低さは詰まるところ報酬。地位向上には当然の改定だったのだろう。


















