リテールメディア事業などを手がけるフェズは、リテールメディアソリューション「Urumo Ads(ウルモ アズ)」の新機能として自動プランニングツール「メディアプランナー」を独自開発した。

 フェズはもともと、ID横断型の購買データや店頭データ、バイヤー施策データ、販促データなどを管理・分析するリテールデータプラットフォーム「Urumo(ウルモ)」を開発・提供しており、全国14の流通企業と連携している。その「Urumo」をベースとした広告ソリューションの「Urumo Ads」では、主要広告メディアと連携することで広告効果や購買効果を可視化できるほか、ターゲティング精度の向上にも寄与することから、大手消費財メーカーを中心に480ブランド以上が利用している。

 今回開発した「メディアプランナー」は「Urumo Ads」のツール画面上に対象商品や全体予算、配信期間などの情報を入力すると、どのメディアにいくら出稿すればよいかといった予算配分や、想定されるリーチ、購買リフトなどが自動で算出される点が特徴だ。

 4月17日に行われた記者説明会で、リテールメディア事業本部ビジネス開発部ビジネス開発グループの内川実咲グループマネージャーは「これまでのメディアプランニングでは客観的かつ定量的なメディア選定や予算配分が難しく、指標としてリーチが重視される一方で、その先の購買につながるかまでは考慮されていないなどの課題があった。メディアプランナーでは、配信したいメディアのユーザーが対象商品をどのくらい購買しているかといった実績データを用いることで、リーチと購買の双方を最適化する。また、予算やターゲットが同じであっても、対象商品の購買実績によって予算配分が変わるので、商品単位やブランド単位で最適なメディアプランを算出できる」と強みを強調した。

リテールメディア事業本部ビジネス開発部ビジネス開発グループの内川実咲グループマネージャー

 また、赤尾雄司代表取締役(トップ画像)は「リテールサイドで購買データ起点の商品開発が一般化する中、今後マーケティングのルールは購買起点に変わっていく。実際、いろいろなメーカー様から購買起点でデータの分析をしてほしい、購買につながっているかどうかをちゃんと見たいといった要望が増えている。また、生成AIが進化する中、当社が保有する1億以上の購買データがさらに活用しやすくなっていく」と市場環境の変化と優位性に言及。今後について「マーケットリーダーとして変化を起こしていきたい」(赤尾代表)と力を込めた。