LINEヤフーは8月13日、グループの出前館と連携し、生鮮食品や日用品などを最短30分で届ける新たなクイックコマース(即配)事業を開始すると発表した。まず港区や渋谷区、新宿区といった都内の一部地域からスタートし、年内には全国の出前館配達エリアに広げる。医薬品など品揃えを拡充しながら、数年内に取扱高100億円を超える事業に育てる。

 新サービス名は「Yahoo!クイックマート」で、「Yahoo!ショッピング」のサイトやスマホアプリから利用できる。ユーザーはYahoo!ショッピング上で、対象エリア内のコンビニやスーパーなどを選択し、注文および決済する。配達は出前館の配達員が担う。

 提供開始時の対象ストアは、ローソン、マルエツ、冷凍専門店のピカールなど。今後ドラッグストアなども順次オープンする予定だ。

 LINEヤフーと出前館は、2022年からアスクルと提携し、倉庫型の「Yahoo!マート by ASKUL」を展開していた。コロナ禍による在宅時間の増加なども追い風となり、都内を中心に一定の成功を収めたが、拠点の維持費やエリア拡大の柔軟性などに課題があったと見られる。この度、実店舗から商品を配達する方式に切り替えることで、これまで難しかったエリアへの配送や商品の取り扱いが可能となる。旧サービスは8月末に終了する。

 一方、これまで出前館に出店していたコンビニやスーパー、ドラッグストアなどの飲食店以外の業態は順次クイックマートに移管される。ユーザーに対して告知しながら、棲み分けを図り、出前館は即食系の宅配としての強みに特化する。